妊娠前に相談されることが多い内容
- 1. ご家族に遺伝性の病気がある
- ご家族に、「筋ジストロフィー」「血友病」「先天性難聴」「知的障害」「てんかん」「若くして発症する重い病気」などがある場合、遺伝形式を確認することで、次世代への影響を評価できることがあります。
関連遺伝子は疾患ごとに異なり、例として、
・DMD(筋ジストロフィー)
・F8 / F9(血友病)
・GJB2(先天性難聴)
・SMN1(脊髄性筋萎縮症)
・FMR1(脆弱X症候群)
などがあります。
- 2. 保因者(キャリア)検査
- ご本人は健康でも、特定の遺伝子変化を持っていると、お子さまに病気が受け継がれる場合があります。
これを**保因者(キャリア)**といいます。
【代表例】
・CFTR:嚢胞性線維症
・SMN1:脊髄性筋萎縮症
・HBB:βサラセミア
・GJB2:先天性難聴
・PAH:フェニルケトン尿症
ご夫婦とも同じ病気の保因者である場合、お子さまに発症する可能性が高まる疾患があります。
- 3. 年齢と染色体の変化
- 女性年齢・男性年齢が上がると、一部の染色体異常や不妊・流産リスクが上昇することがあります。
【代表例】
・ダウン症候群(21トリソミー)
・18トリソミー
・13トリソミー
・性染色体異常
これは単一遺伝子ではなく、染色体の本数変化によるものです。
妊娠後に相談されることが多い内容
- 1. 出生前検査(NIPTなど)
- 妊娠中に胎児の染色体異常の可能性を調べる検査があります。
【NIPT(母体血による出生前検査)】
・超音波検査
・羊水検査
・絨毛検査
それぞれ、精度・時期・リスク・分かる範囲が異なります。
- 2. 流産を繰り返す
- 反復流産の背景に、ご夫婦いずれかの染色体転座
「凝固体質」「子宮要因」「ホルモン要因」
などが関係することがあります。必要に応じて染色体検査を行うことがあります。
遺伝子検査は、「将来必ず病気になる」「必ず健康な子が生まれる」「すべての異常が分かる」
というものではありません。
しかし、「家族歴の整理」「保因者かどうか」「子どもへの遺伝確率」「妊娠前にできる準備」「妊娠中の検査選択肢」を知るうえで大切な情報になります。
最後に、妊娠や家族計画において、遺伝の情報は「不安になるため」ではなく、安心して選択するための情報です。
迷ったときこそ、一人で抱え込まずご相談ください。
ご本人・ご夫婦・ご家族にとって納得できる形を一緒に考えていきます。