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薬の合う・合わないの考え方

薬の合う・合わないの考え方と遺伝子検査

同じ薬を服用しても、よく効く人・効きにくい人・副作用が出やすい人 がいます。
これは年齢、体格、肝機能・腎機能、併用薬、生活習慣などに加えて、生まれ持った遺伝子の違い が関係している場合があります。

薬は体内で「吸収される」「分解される」「作用する」「排泄される」という流れをたどります。これらに関わる酵素や受容体の働きには個人差があり、その一部は遺伝子で説明できます。こうした分野を 薬理遺伝学(Pharmacogenomics / PGx) と呼びます。

遺伝子の傾向を知ることで、より自分に合った薬選びや副作用予防に役立つことがあります。

遺伝子検査で分かること

遺伝子検査は、
「この薬が絶対使えない」「必ず副作用が出る」「必ず効く」
と断定するものではありません。

あくまで、
「効きやすさの傾向」「効きにくさの可能性」「副作用リスクの参考情報」を得るためのものです。
実際の処方では、症状・年齢・肝腎機能・他の薬・既往歴と合わせて総合判断します。

こんな方におすすめです

  • ・薬で副作用が出やすい
  • ・何種類も試したが合う薬が見つからない
  • ・抗うつ薬や睡眠薬の調整に悩んでいる
  • ・家族も薬に弱い印象がある
  • ・将来の治療に備えて体質を知っておきたい
  • ・抗がん剤治療前に相談したい

当院の遺伝相談でできること

  • ・薬の効き方に関する遺伝相談
  • ・現在の服薬内容との照合
  • ・他院の検査結果のセカンドオピニオン
  • ・主治医への情報提供書作成(必要時)
  • ・今後の薬選択に役立つ体質評価
1. 痛み止め・解熱鎮痛薬(コデイン、トラマドール など)
一部の鎮痛薬は体内で代謝されて有効成分になります。
CYP2D6 という遺伝子の違いにより、「効きにくい方」「効きすぎて眠気・吐き気が出やすい方」がいます。
鎮痛薬の選択に影響することがあります。
2. 抗うつ薬・睡眠薬・精神科領域の薬
抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などは個人差が大きい領域です。
主に CYP2D6、CYP2C19 が関係し、「少量で効きすぎる」「標準量でも効きにくい」「副作用が出やすい」といった差につながることがあります。
3. 胃薬(PPI:胃酸を抑える薬)
逆流性食道炎や胃炎などで使われるPPI(例:オメプラゾール系)は、CYP2C19 の影響を受けます。
・分解が早い方 → 効きにくい
・分解が遅い方 → 効きやすいが副作用注意
除菌治療などでも影響することがあります。
4. 血液をさらさらにする薬
・クロピドグレル(抗血小板薬):心筋梗塞や脳梗塞予防で使われます。
CYP2C19 の働きが弱い方では、薬が十分に活性化されず、効果が弱くなることがあります。
・ワルファリン(抗凝固薬):VKORC1、CYP2C9 が関係し、必要量や出血リスクに影響します。
5. がん治療薬
抗がん剤や分子標的薬では、遺伝子情報が特に重要です。
・DPYD:5-FU系薬剤の副作用リスク
・UGT1A1:イリノテカンの副作用
・TPMT、NUDT15:免疫抑制薬・白血病治療薬の副作用
適切な量調整や薬剤選択に役立つことがあります。
6. スタチン(コレステロールの薬)
一部のスタチンでは、SLCO1B1 により筋肉痛や筋障害のリスクが変わることがあります。
副作用で中断した方に参考になる場合があります。

最後に

「薬が合わない」は気のせいではなく、体質の違いが背景にあることがあります。

経験だけで薬を選ぶ時代から、体質も踏まえて選ぶ時代へ。
気になる方は一度ご相談ください。

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